『アヴァンギャルド芸術論』
- 作者: ジョルジョ・デ・マルキス,若桑みどり
- 出版社/メーカー: 現代企画室
- 発売日: 1992/04
- メディア: 単行本
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巻頭の引用が気になって。
すべて芸術というものは、存在を作り出すこと。すなわち、現実に有り得ることもしくはあり得ざることを、作品または研究をもって、いかにして現存させうるかという問題にかかわっている。
美術史はさまざまな問題を取り扱う。しかしその根幹にあるのは常に、ある対象の起源と性格についての知識である。つまり、ある作品の制作年代、特徴、作者、形態、様式など、要するに作品の明確な記述や真偽決定などであるが、それらは今日進んだ科学的手段のおかげで楽になった。こうした前提条件を踏まえてはじめて、芸術作品にかかわるその他の問題に取り組むことができる。実際にそれらの問題は無尽蔵にあり、流行から運動、市場、ある芸術家の成功または不成功の理由、技術の伝統の重要性など限りがない。
エルンスト・ゴンブリッチ
批評家とはものを読むことができ、ものを読むことを他人に教えられる人間をいう。
シャルル・オーギュスタン・ド・サント・ブーヴ