『アヴァンギャルド芸術論』

アヴァンギャルド芸術論

アヴァンギャルド芸術論

巻頭の引用が気になって。

すべて芸術というものは、存在を作り出すこと。すなわち、現実に有り得ることもしくはあり得ざることを、作品または研究をもって、いかにして現存させうるかという問題にかかわっている。

アリストテレス

美術史はさまざまな問題を取り扱う。しかしその根幹にあるのは常に、ある対象の起源と性格についての知識である。つまり、ある作品の制作年代、特徴、作者、形態、様式など、要するに作品の明確な記述や真偽決定などであるが、それらは今日進んだ科学的手段のおかげで楽になった。こうした前提条件を踏まえてはじめて、芸術作品にかかわるその他の問題に取り組むことができる。実際にそれらの問題は無尽蔵にあり、流行から運動、市場、ある芸術家の成功または不成功の理由、技術の伝統の重要性など限りがない。

エルンスト・ゴンブリッチ

批評家とはものを読むことができ、ものを読むことを他人に教えられる人間をいう。

シャルル・オーギュスタン・ド・サント・ブーヴ