28 dicembre

古本暮らし

古本暮らし

この半年、古本関係の本を読んできたけど、たいていの古本関係の著者は基本的に、「生活なんか捨ててまえ。古本!古本!」といった麻雀放浪記の古本版という体裁をとっている(実際はどうかはわからないけど、昨日の人とかも借金にひーひー言っているそうだ)*1。その中でこの本は異彩を放ち、著者は古本生活をしている今の生活のこと、将来のことに悩み続ける。ひたすたまじめな人である。そもそも人様の古本狂いを対岸の火事として笑おうと*2,この本を手にしたので、最初は著者の文章にとまどってちょっと重く感じもしたが、しかしこれが古本生活の現実であり著者の悩みはぼく自身の悩みでもある。だから読後感は決してよくないが、このもやもやした感じをしっかりと引き受けなければいけないと思うのだ。どういうわけか、この本を読み終えてほったらかしにしていたうちの水まわりの掃除をした。

そういえば昨日はじめて高円寺の青木書店に入った。いまどき、神保町でも数少ないくらい昭和で時間が止まってしまった書店だった(もちろんぼくはいい意味で言っているのだ)。外から見るかぎりこの数年ほんの入替をしていないんじゃないか、という雰囲気だが文学関係などは最近の本もぽつぽつと入っていた。いい本もあったけど残念ながら専門外なので手が出ず。青木書店の周りは、どんどん再開発が進んでいる今後も止めずに頑張って欲しい(さりとて次何時再び伺うことになるかはわからない。)。

*1:もちろん、この辺は戦略的な部分はあるだろうけど、お金に余裕があって、古本買い放題なんて人の本が読みたいかというのは、あんまり読みたくないというか。個人的にはそもそも想像に及ばない。

*2:他人の不幸は楽しいですよね。