『マルクスと批判者群像』

マルクスと批判者群像 (平凡社ライブラリー)

マルクスと批判者群像 (平凡社ライブラリー)

買った。ほんとは買う予定は無かったのだが、熱い解説を読んでいるうちにこれはどうしても買わねば、と。

本書は1971年10月に「平凡社の選書」シリーズ(のちの平凡社選書)の一冊として刊行された。この本が当時の日本のマルクス研究に与えた衝撃は、現在では想像がつかないかもしれない。それはマルクスを研究するということの意味を根本的に問い直し、深部に達する持続的衝撃力によって、マルクス主義的解釈学の地盤を掘り崩すものだった。この衝撃力は、やがて著者自身をもマルクス研究から社会史へと運び去ることになる。その意味で、本書は著者の一つの到達点であると同時に、一つの転換点をなすものである。

解説―「救い出す」こととしての思想史 植村邦彦

解説内で良知力の印象深い言葉が引用されている。
「いつの世でも、そうなのだろうが、人間の歴史を底からささえてきた人々は、いつも黙って生き、黙って死ぬ。もしできるなら、その人たちの生きた姿を描いてみたい」(1976年『図書新聞』6月19日号)

○併せて読みたい

ブリュメール18日 (平凡社ライブラリー)

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最近妙にマルクスづいている平凡社ライブラリー。はっ、まさか昨今の(派遣)労働問題を見越してのことか。やるな平凡社