『死者たちの都市へ』

死者たちの都市へ

死者たちの都市へ

☆☆☆☆★

新作『政治の美学』を読みたいところ、この著者の本は高いので*1、旧作を図書館で借りて読む。雑誌『10+1』に収録された「都市表象分析」の連載を纏めたもの(前作として『都市表象分析Ⅰ』がある)。2000年以降の論評が収録されていて、いくつかの章はNYのワールド・トレーディング・センター(の崩壊とその再開発)を主題としている。

※以下、本書とは全然関係がない雑感。9・11のテロがすでに七年も前のことに驚きを隠せない。ジョージ・W・ブッシュ(まもなく前*2)大統領は、その後本土攻撃を受けなかったことを、自分の「成果」としてとりあげた。もちろん、それは「ならず者」たちを執拗に追いかけ、さらにイラク、アフガンの「テロ組織撲滅」と称して、軍事介入を行ったうえでの「成果」である。たしかにあの時、塔が倒れたときにさらなるテロの可能性は十分にあった。攻撃しなければやられる、という大統領の判断に対して国民は(瞬間的に)90%を越える支持で応えた。そして大統領はアメリカ国民の命を守り、無辜の市民の命を奪った。

政治の美学―権力と表象

政治の美学―権力と表象

*1:いつもいつも(涙)

*2:すでにか?