そういうわけで、

今日本屋にいっても『天使の蝶』は買えなかった。

ので、これを買った(いいんだ、一週間がんばったからいいんだ)。
ハイデッガー『芸術作品の根源』

芸術作品の根源 (平凡社ライブラリー)

芸術作品の根源 (平凡社ライブラリー)

冒頭

根源(Ursprung)とは、ここでは、或る事柄が、それからそしてそれによって、その事柄にほかならないものであり、まさにその事柄らしいあり方においてあるような、かのものを意味している。われわれは、或るものが、まさにそのものらしいあり方において、そのものにほかならないものであるような、そういうものを、その或るものの本質(Wesen)と名づける。或るものの根源とは、その或るものの本質の由来(Herkunft)である。芸術作品の根源への問いは、芸術作品の由来を問う。通念にしたがえば、作品は、芸術家の働きから、そして彼の働きによって生まれる。しかし、芸術家は、何によって、そして何から、芸術家に他ならないものであるのか。それは、作品によって、である。というのも、(ことわざに言うところの)作品そのものが作者の巨匠たることを証明する、ということはすなわち、作品がはじめて芸術家を芸術の支配者として登場させる。ということを意味するからである。芸術家は作品の根源である。作品は芸術家の根源である。一方なしには他方もない。それにもかかわらず、両者のいずれもが単独で他方を支えることはない。芸術家と作品とは、各々それ自体の内で、そしてそれらの交互連関の内で、第三のものによって存在する。それが(本来)第一のものであり、芸術家と芸術作品とがその名称をそれから得ているあのものである。すなわち、両者は芸術(Kunst)によって存在するのである。


ハードカバーが出たのが2002年。わずか6年で文庫化とは実に良心的。
ところで、いつもオリジナルのブックカバーを播いてくれるのに、今日は袋に入れてくれただけだった。そもそも店長がカウンターでブログにアップする写真を撮るのに夢中になっているのはどういうことか、と。