『人権の彼方に』

人権の彼方に―政治哲学ノート

人権の彼方に―政治哲学ノート

買った。原題は「mezzi senza fine」。「目的なき手段」といったところ。邦題の「人権の彼方に」は収録論文のひとつ(ちなみにサブタイトルの政治についての覚え書きも同様)。イタリア語ではそれぞれ、「Al di la' dei diritti dell'uomo」「Note sulla politica」本書は、ギー・ドゥボールの憶い出に捧げられていて、彼の著作を論じた「『スペクタクルの社会に関する注解』の余白に寄せる註釈」が収録されている(なんていうか反省的なタイトルだ)。これで個人的にアガンベンは残り『バートルビー』になった(はずだ)。この本は一度古本屋に出ていたのを躊躇している。そして予想通り最後に残った。厳密に言えばちくま学芸文庫で購入した、『スタンツェ』の初版(ありな書房版)も持ってないがこの本も複数店舗で見たことがある(どこもいい値段だ)。本書に戻ると、目次は以下のとおり。



〈生の形式〉
人権の人権の彼方に
人民とは何か?
収容所とは何か?


身振りについての覚え書き
言語と人民
スペクタクルの社会に関する注解』の余白に寄せる注釈


主権警察
政治についての覚え書き
この流謫(るたく)にあって―イタリア日記 1992-1994

翻訳者あとがき
人名索引

解題=「例外状態」と「剥き出しの生」西谷修