『SIGNATURA RERUM sul metodo』

Signatura rerum: Ueber die Methode

Signatura rerum: Ueber die Methode

写真の版はドイツ語版だけどもちろんイタリア語で。amazonの洋書部門って英語はまあまあ、ドイツ語はなんとか、イタリア語は全然、でも以外にスペイン語はあるよね、というのが個人的な集計値。アガンベンのイタリア語版はほとんど買えない。内容は以下のとおり。

Avvertenza

1.Che cos'e un paradigma?
2.Teoria della segnature
3.Archeologia filosofica

Bibliogragia
Indice dei nomi

タイトルにもある通りアガンベンの方法論。今日は第一部の「範例とは何か?」を。『ホモ・サケル』の「第三部 近代的なものの生政治的範例としての収容所」で範例paradigmaが使われていたがそもそも範例ってなんなのさって話。クーン、フーコーから始まって、プラトンアリストテレスを経由して、ヴァールブルクの「アトラス・ムネモシュネ」とゲーテの「原現象」へとたどり着く。(相変わらず)ジェットコースターのような論稿。第二部は初っ端パラケルススの名前が挙がっているので気が滅入る。そういえば昨年はアガンベンの邦訳新刊はなかったのでは??偉い翻訳者さんと偉い版元さん、がんばってください。


BK1にディディ= ユベルマンの新作『ニンファ・モデルナ 落ちゆくドレープについて』(の予約)が出ていた(こちら)。どうなることかと思っていたので一安心。アガンベンも『Ninfe』というタイトルのヴァールブルク論を出していて、さらっとディディ=ユベルマンの名前を挙げている*1。一方でディディ=ユベルマンのほうは、アウシュヴィッツにおける資料論、イメージ論である『イメージ、それでもなお』でアガンベンを(やっぱりちょこっと)批判検討している。

*1:ディディ=ユベルマンがヴァールブルクの新資料を発見してくれた、ということ