1 gennaio

世紀末芸術

世紀末芸術

半年近く前に読み途中になっていた本をやっつける。最初、いったいぜんたい何を言っているんだかわけがわからなくなる(当然だ)。反省をこめて、以下に目次を書き写す。これだけで「世紀末芸術」が分かった気がする。こういう本は良い本だ。
なおこの本は、昨年、ちくま学芸文庫になった。

内容は以下のとおり

序章 世紀末芸術とは何か
1 転換期の芸術
 歴史の盲点―「自由美学」の展覧会―芸術世界の拡大―未来の芸術へ
2 新しい芸術理念
 新しいものへの意欲―さまざまな呼び名―汎ヨーロッパ的美学運動
3 頽廃と新生
 美の殉教者―怒れる若者たち―社会性の要求―新しい文芸復興

第二章 世紀末芸術の背景
1 社会的風土
 平和と均衡―不安と緊張―「良き時代」―四大芸術舞踏会事件
2 機械文明の発展
 新しい材料と新しい技術―技術者の登場―技術から建築へ―万国博覧会―写真術の発展
3 ジャーナリズムの繁栄
 批評活動の隆盛―美術雑誌の誕生―芸術家の協力
4 遙かな国・遠い国
 歴史趣味―バロックロココ―中世への憧れ―ケルト芸術―ジャポニズム

第三章 世紀末芸術の特質
1 華麗な饗宴
 装飾の復興―レアリスムへの反逆―実用性と装飾性―広告と挿絵
2 魂の深淵
 表面と象徴―印象から表現へ―夢と幻想―
3 よく見る夢
 夢の女―サロメ―孔雀と睡蓮―仮面―焔と波―華麗なる舞踏
4 音楽性と文学性
 音楽への憧れ―詩人たちの世界―百家争鳴

第四章
1 象徴主義
 象主義への反発―象徴の登場―ルドン―神秘主義の呼声
2 綜合主義
 分析から綜合へ―主観と客観の綜合―ゴーガン
3 科学主義
 光と色彩の理論―実験心理学―スーラ

結び 20世紀への道
新版あとがき
参考文献解題